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認知症とは

 認知症とは様々な病気により、脳の神経症状の働きが徐々に変化することで認知機能(判断力、記憶力など)が低下し、社会生活に支障をきたした状態をいいます。

認知症の現状

 令和4年度の調査では、日本全国の65歳以上の人の内、認知症の人の割合が約12%、軽度認知障害の人の割合が約16%であると推計されています〔1〕。この推計に基づくと、65歳以上の約3人に1人が認知機能にかかわる症状があることになります〔2〕。高齢化が進む紀の川市においても、認知症の人は多くいます。

地域共生社会を目指して

 認知症になっても、その人が好きな場所や住み慣れた場所で安心して日常生活を送ることができ、地域に出て人と交流し、できる役割を発揮できる社会(地域共生社会)が望まれています。
 紀の川市も認知症の人を地域から排除するのではなく、認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられるまちを目指しています。認知症についての理解を広げ、認知症への偏見と誤解を解消することが大切だと考えています。

認知症の原因となる病気と特徴 

 認知症は原因となった病気によって分類があります。それぞれの分類で特徴的な症状があります。ここでは主な認知症の分類と症状を4つ紹介します〔3〕。

分類 特徴
アルツハイマー型認知症 認知症の中でもっとも割合が多い分類です。アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳に蓄積することが原因と考えられています。記憶に関与する脳の部分(海馬)が小さくなります。
ついさっきのことを忘れる、思い出せないという記憶障害が特徴的です。
脳血管性認知症 脳血管性認知症は、脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血といった頭の中で出血する・血管が詰まることを繰り返し、脳の機能が低下した原因です。生じる症状はさまざまです。アルツハイマー型認知症に次いで多い分類です。
レビー小体型認知症 脳の神経にレビー小体というかたまりがたまるため、レビー小体型認知症と呼ばれています。
体の動きが緩慢になるパーキンソン症状や、実際はないものが見える幻視、実際とは違って見える錯視が特徴的な症状です。時間や日によって、認知機能が良い時と悪い時があるという特徴があります。
前頭側頭型認知症 脳の前頭葉から側頭葉にかけて脳の萎縮が集中してみられる分類です。
性格が変化し、抑制のきかない行動が目立ちます。


代表的な認知症の症状

  • 物忘れ
    「そんなこと聞いてない」「夕食を食べたことを忘れる」など自分の経験そのものをすっぽりと忘れてしまうことが増えます。
  • 失見当識
    「いま、何年の何月何日か」「自分がいまどこにいるか」「目の前にいる人がだれか」時間・場所・人が分からなくなります。
  • 理解・判断力の低下
    複雑なこと、予期しないことへの対応が苦手になります。
  • 実行機能の低下
    料理をするなど、目的に従って計画を立て実行することができなくなります。

行動・心理症状(BPSD)

 認知症の症状の内、行動や心理に関するものはBPSDと呼ばれています。周囲の人の対応や環境によって、BPSDは予防・軽減することができます。BPSDの具体的な症状には下のようなものがあります。

症状 対応のヒント

不安
うつ

認知症の人には、変わっていく自分に今後どうなるだろうと不安になる人がいます。認知症にはうつが伴うことがあります。
失敗や忘れてしまったことを責めずに、安心感を与えることが大切です。

いらいらする
興奮する
身の回りのことが自分でできなくなり、自分自身にいらだつこともあります。感情のコントロールがうまくいかず、興奮してしまうことがあります。
周囲の人は落ち着いて対応することが大切です。
妄想
幻覚
アルツハイマー型認知症では、大事なものが見つからず、他人に盗まれたと妄想する「物盗られ妄想」が有名です。
物盗られ妄想に対して、「そんなはずはない!」「さっきも言ったでしょ!」など攻撃的に否定しないことが大切です。不安になっている気持ちに共感してあげましょう。
レビー小体型認知症では幻視が見られることがあります。
歩き回る
道に迷う
1人で出かけて道に迷ってしまうことや、歩き回ってしまうことがあります。
どうして一人で歩き回るのか背景を踏まえた対応が大切です。近隣の人に見守りの協力をお願いすることも対応方法の一つです。

認知症の進行予防

 脳や身体を使わないことは、認知症の発症や進行を加速させます。
 人とコミュニケーションをとる、役割や日課を持つ、活動への意欲を持った日常を送ることが重要です。
 早期に病院を受診し診断を受け、認知症の治療や環境の調整を行うことで、その人らしい生活を続けることに繋がります。
 紀の川市地域包括支援センター(紀の川市役所本庁2階24番窓口)では、認知症についての相談を受け付けています

参考文献と参考ホームページ

〔1〕認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究報告書,令和5年度老人保健事業推進費等補助金,2024
〔2〕知っておきたい認知症の基本,政府広報オンライン,2025.6.30最終アクセス

〔3〕認知症サポーター養成講座標準教材「認知症を学びみんなで考える」p14-p20,NPO法人地域共生政策自治体連携機構,2023

このページに関するお問合せ先
紀の川市 福祉部 高齢介護課 TEL 0736-77-2511

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最終更新日:202577
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