フレイル予防推進のまち「紀の川市」
「健康づくり」してますか?
健康づくりと言われれば「運動」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ウォーキングやサイクリング、ストレッチ、筋力トレーニングなど、さまざまなイメージや知識をお持ちで皆さんの生活にあった運動を実践されている方も多いのではないでしょうか?
「健康づくり」の重要性を地域の皆さんがしっかり認識し、推進する雰囲気や継続できる環境があるかないかなど、市民の皆さんとどう地域づくりをしていくかが重要なのではないかと考えています。
65歳を超えると
「高齢者」と呼ぶにはあまりに早い60代や70代の皆さん、それぞれアクティブな人生を送られている方も多いのではないかと思います。
各年で行っている介護予防把握調査では、75歳を超えると「立つ」、「座る」、「歩く」、「食べる」、「出かける」などの基本的な生活機能の衰えを感じ始める方が多くなるという結果が出ています。
また、過去の調査の統計から要支援・要介護認定を受けた方は、その2年前から調査項目の「階段を手すりや壁をつたうようになる」「以前楽にできていたことでもおっくうに感じられる」によくチェックを入れていることもわかりました。これは身体機能と心の健康が、要支援・要介護状態となることに影響していることを裏付けました。
いわゆるフレイル状態から要支援・要介護状態となる方が多いということです。60代や70代前半の方は特に、75歳をどう迎えるかが大切で、フレイル予防を意識した生活が健康長寿につながることは言うまでもありません。
人生は元気で自立した生活がいいと思いませんか?
キーワードは「健康意識」と「生活の変化への気づき」
人生を歩むにあたり、食べること、動くこと、考えること、金銭のこと、こころのことなどさまざまな心身機能がある程度健康で、自然とできているからこそ少しの手助けで自立した人生を歩んでいけるのではないでしょうか。年齢を重ねるにつれ、生活機能の一つひとつが少しずつ衰え、使いにくくなります。それも「気づかぬうちに」。
「自分の健康は自分で守る」という意識や「ささいな生活の変化に気づく」機会がないと心身機能は虚弱化していきます。
介護保険サービスや介護予防事業の目的は、自立した生活を支援することです。住み慣れた地域でずっと暮らし続けられるよう、制度の目的や利用方法など身近にある制度へのご理解をよろしくお願いします。
フレイル予防で健康長寿!!
キーワードは「フレイル・サルコペニア予防」
年齢を重ね、心身の活力(筋力・認知機能・社会とのつながりなど)が低下した状態を「フレイル」といいます。また、フレイル状態となる人のほとんどが筋肉やその発揮力が減少(低下)しているといわれています。その状態を「サルコペニア(筋肉減少症)」といいます。
多くの人が健康で望んだ形で人生を終えたいとお考えではないでしょうか。統計上では平均寿命と健康寿命は延び続けている一方で、その差は縮まっていません。個人差はありますが、その差は男女とも約10年間。
介護保険の対象となる要支援認定者の主な原因は、「高齢による衰弱」「関節の痛み」「転倒・骨折」です。これらの原因からは、フレイルやサルコペニアの影響がうかがえます。また、要介護認定者となる原因としては、「脳血管疾患」「認知症」が上位にきています。突発的な病気は別として、要支援認定の原因となるフレイルやサルコペニアは予防できるような気がしませんか?
生活機能維持のためのちょっとした予防活動が健康寿命の延伸につながります。
【東京大学高齢社会総合研究機構フレイルサポーターテキストより抜粋のイラスト】
その生活機能の低下にどのようにして気づく?
キーワードは「フレイルチェック」
健康長寿に必要なこととして、東京大学高齢社会総合研究機構(IOG)の飯島勝矢教授は、「健康長寿3つの柱は、運動・栄養・社会参加」であるといいます。これは、千葉県柏市で行われた研究事業で実証されています。
健康長寿具現化のためには、生活機能に低下があるかないかが大きな意味を持ちます。
そこで!紀の川市高齢介護課では飯島教授研究チームと運動・栄養・お口の健康・社会参加に機能低下がみられないかどうかをチェックする「フレイルチェック」を実施しています。今後もフレイル予防の重要性やチェックの周知普及を図ることで、市民のみなさんを元気にしていきます。
広報紀の川でフレイルサポーターの活動を紹介!
フレイルチェック導入の経過
キーワードは「てくてく」
高齢介護課では、集会所単位で週に1回ご当地体操「紀の川歩(てくてく)体操」を実践するみなさんに、体操DVDの提供やリハビリ専門職の定期的な派遣など、継続的な活動をサポートする地域リハビリテーション活動支援事業を展開しています。高齢介護課実施のアンケートでは、「近くの場所なら介護予防を実践する」や「遠くて通えない」など、比較的エリアが広い公民館単位ではどうしても参加が難しいという意見が多数寄せられました。てくてく体操を普及する中でわかったことは、地域の集会所だからこそ参加できる人がいることです。てくてくの参加者の平均年齢は約75歳。いわゆる高齢期にさしかかり、関節の痛みや虚弱化に悩む人も、近くの集会所ならてくてく歩いて参加することができます。さらに、参加者の中にはフレイルやサルコペニアが心配という人が多数いることもわかりました。
「運動だけしてればいいのか?」
そうではありません。心身の虚弱化の原因が栄養やお口の健康状態の悪化によることも多く、フレイル状態となっている原因に気づくことは非常に大切なことです。チェックして自らの心身の状態に気づいてもらわねば!
しかし、市の職員ができることには限りがあります。そこで、フレイルサポーターの登場です。
キーワードは「市民のための市民によるフレイルチェック」「フレイルサポーター」
フレイルチェック事業の一番魅力的なところは、市民のみなさんと一緒に展開できることです。フレイルチェックの現場で市民のみなさんをサポートしてくれる、その名も「フレイルサポーター」を養成し、フレイルチェックの活動を一緒に行っています。紀の川市のフレイルサポーターは、現在100人以上!
フレイルサポーターのみなさんは市職員と、てくてく体操や地域のイベントなどにボランティアとして参加し、フレイルチェックのサポートや進行を行います。
フレイルサポーターは60代~80代の方が大半です。退職後の新たな生きがいや子育てなどがひと段落した人など、参加動機はさまざま。気軽に、自分のペースで参加できるサポーター活動のため、サポーターからは「自分のための活動でもあり、なおかつ楽しい」と好評です。
キーワードは「自分たちのまちのために」
フレイルサポーターさんの活動は、チェックだけでは終わりません。自分たちの活動をより活性化させるために、サポーターさんたち自身でチェック以外の活動をする「部会」を複数立ち上げています。
「自分たちが住む地域なんだから自分たちでいろいろ考えていかないと」と、とても前向きなサポーターさんたち。部会は参加するもしないも自由です。
現在の取り組みの一例としては、
- サポーター自身の健康のために、自分たちで企画したウォーキングイベントの実施
- ウォーキングコースのマップ化
- 地域巡回バスを活用したフレイル予防マップの作成
- フレイル予防応援レシピの作成
- フレイル予防周知や部会で作成した成果品の活用
- スマホ教室の開催
- スキルアップのための研修の企画
などなどです。
これからも活力あふれるサポーターさんたちが、大活躍してくれそうです!フレイルサポーターの活動にご注目ください。
市役所でフレイルチェックしてくれるの?
紀の川市役所本庁及び各支所で、定期的には行っておりません。紀の川市のフレイルチェックは、地域のイベントやてくてく体操の拠点で実施しています。関心のある人は、地域のイベントとして開催させていただきますので、ご相談ください。
このページに関するお問合せ先
紀の川市 福祉部 高齢介護課 TEL 0736-77-2511
PDFファイルをご覧になるには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
Adobe のウェブサイトより無償でダウンロードできます。